更年期外来
更年期外来について
更年期の治療は大きく分けて4種類あります。どのような症状で一番困っているか、何歳で閉経したか、どういう治療法を希望するかなど相談しながら治療法を決定していきます。
① ホルモン補充療法(HRT)
更年期治療の根幹をなす治療法です。自覚症状だけでなく肉体的な老化(骨粗鬆症、脳や皮膚の老化)、高脂血症、高血圧)を防ぐことができることが一番の特徴です。足りないホルモン(エストロゲン)をシールやジェルで経皮的に補充します。即効性があり、つらい更年期症状が短期間で改善されます。エストロゲンで肥厚した内膜をはがすために黄体ホルモン(プロゲステロン)を併用する必要があります。5年以上続けると乳がんの危険がほんの少しだけ上昇しますが、食道がん、胃がん、大腸がんを25%~30%減らす副効用もあり、骨粗鬆症による寝たきりを減少させることも考えると、総合的に女性の健康にプラスに働くと考えられています。
② 漢方
更年期症状特有の冷えのぼせ、イライラ、ホットフラッシュなどに効果的です。体質にあい、すぐに著効する人もいますが、一般的に穏やかに効く印象です。40歳後半の閉経前の体調不良や、HRTに不安を感じる人にお勧めです。
③ プラセンタ(注射、内服)
疲れやすい、疲れが取れない、不眠(特に入眠障害、眠りが浅いなど)、肩こり頭痛、花粉症などの症状に著効します。プラセンタの注射は保険が適応されます。ヒトの胎盤から作られているので、ウィルスの混入の可能性がゼロではなく、プラセンタ注射後は献血ができなくなります。プラセンタの内服は、ウィルス感染の危険性はありませんが、効果が緩やかでやや高価です。
④ エクオールなどのサプリ
大豆から作られたスーパーイソフラボン。弱い女性ホルモン類似作用があるらしく、更年期の症状や手指の関節の痛みが改善する人もいます。薬ではなく、健康補助食品なので、処方箋がなくても薬局やネットで買えます。